割り箸を綺麗に左右均一に割る方法

先日放映のテレ朝『しるしるみしる』では、何故あの方法で上手く割れるのかという、材料力学的な観点からの解説がカットされてしまいました。そこで、ここに紹介させていただきます。


【簡単に綺麗に割る方法】
1.割り箸を水平で先が左、根本が右方向になるように向け、上下に割れるようにする。

2.先からスリーフィンガーあたりの同じ位置で、右手が下、左手が上になるようにして、箸をつまむ。

3.ゆっくり静かに左手を上に持ち上げていく。右手は動かさない。


これで、綺麗に割れるはずです。
では、何故この方法で割れるのでしょうか?

それぞれの動作に材料力学的な配慮があります。


【理由】
◆割り箸の割れる原理
箸の先端近くを上下に離すと、箸の根本にモーメントがかかり、それで引っ張り応力が発生します。その応力が箸の材料の破断強度を上回ると割れます。

◆綺麗に割るには?
1.水平に箸を位置して上下に離す理由
・破断させる応力が均等に、しかも、箸の軸に垂直に作用することが肝心。
・そのためには、箸をゆっくりと引っ張って、静的な荷重だけが作用することにします。
 一気に割ろうと、いきなり力を入れると動的な荷重が片方だけに作用することが多く、箸は荷重が大きい方に斜めに割れてしまいます。
・箸を水平に持って上下に割るのは、ゆっくりと力をかけるための、腕の力が出しやすい方法です。人間工学的な観点から、例えば左右に引っ張ると力のかけ方がコントロールしにくくなります。

2.先端からスリーフィンガーくらいの位置を引っ張る理由
・箸は左右の太さが完全には一致しておらず、製品のばらつきとしてどちらかがほんの僅か太くなっています。
・そこで、先端の部分を引っ張ると、根本に伝わるモーメントが不均一になり、応力の方向も斜めになってしまいます。
・かといって、根本近くを引っ張ると、同じモーメントをかけるには、強い力が必要となって、ゆっくりと荷重をかけることが難しくなります。
・そこで、その両者のバランスポイントとして、先端からスリーフィンガーの位置がベストとなります。

3.右手は動かさない理由
・左右の腕を動かすと、ゆっくりと力をかけるためのコントロールが複雑になり、難しくなります。利き手の右手は止めておいて、左手でゆっくりと力をかけて、動的な荷重がかからないようにするのがコツです。


なお、高級割烹では割り箸が使用されます。それも、少し濡れた状態で提供されることが多いですが、これを安っぽいと勘違いしている客も多いようです。

塗り箸は何度も使えます。
割り箸は一度しか使えません。それで、高級料理店では割り箸を使います。
そして、懐石料理ではご飯を先に食べるので、箸にご飯粒がつかないように、割り箸をぬらす配慮をするのが昔からの配慮となっています。

また、最近ではエコ箸としって、マイ箸を持ち歩く人もいますが、割り箸が森林破壊につながっているというのは、メディアなども置かしている誤りのようです。割り箸は通常は木材の余りの部分から作るので、環境破壊への影響は小さいといえます。

この記事へのコメント

jim_marshall
2011年05月08日 21:55
先生らしい鋭い分析を解説して頂き、
ありがとうございます。

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